「2011年を思い出す」

新型コロナウィルスの影響で息子の小学校も一昨日から休校となり、日常生活にも大きな影響が出てきたことを感じています。ガイド業においても、東京マラソンに一般参加枠で出場を予定していたフランス人のお客様が観光ガイドを申し込んでくださっていたのですが、一般参加枠がキャンセルとなってしまったため来日を取りやめ、ガイドご予約もキャンセルとなりました。残念ですが、致し方ないことです。楽しみにトレーニングしてこられたお客様の気持ちを思うと、本当にお気の毒でなりません。また機会を見つけて来日したいとおっしゃってくださっているので、いつかお会いできることを楽しみにお待ちしたいと思います。

 

さてこれから、春がどうなるか?が今、ガイド仲間や旅行会社さんの間では一番の気がかりです。というのも、インバウンド業界ではご存じの通り、春の桜シーズンが一年で一番忙しい時期となります。今のところはまだ大きなキャンセルは出ていませんが、お客様も状況を見て判断するとの方向でお考えのようです。一日も早く終息してくれることを願うばかりです。

 

さて先日、フランス人の仕事仲間と話していて、彼が言ったのがブログタイトルの一言です。

 

「こうしてキャンセルが入ることを心配しながら過ごしていると、2011年の3月を思い出すよ。あの時起こったことは地震や津波、福島の事故で、今回は新型コロナウィルスという感染症の脅威だから違うことも沢山あるけれど、観光業に携わる私たちにとって危機的状況にあるという意味では、あの時と同じようにピンチだ。でも、だからこそ、今できることをしていかなくてはね。必ずいつかは落ち着く、だからその時すぐに動けるように、時間があったらやろうと思っていた新企画の内容を詰めていったり、ホームページなどを見直したり、忙しい時期にできないことをしっかりやっていこう」

 

 

本当に彼の言う通りだと思いました。そして、初心を思い出しました。

 

私が起業したきっかけは、まさに2011年の震災にあったからです。

 

あの時、まだ私は新人ガイドで主に先輩からの情報を聞くだけの立場ではありましたが、団体ツアーは軒並みキャンセル、いつから訪日客が戻ってくるのか、わからない状況でした。でも、このまま待つだけではなく、自分にも何かできることはないか?と考え抜いた末、フランス語ガイドが必要なお客様に、個人客でも気軽にガイドを申し込んでいただけるサイトを作って、Facebookページでは現在の東京の日常を伝えたい!と思い、小さな一歩を踏み出したのでした。

 

大変悲しいことに、震災で多くの尊い命が失われ、また今回も新型コロナウィルスでお亡くなりになった方が世界中にいることを考えると、今この健康な自分にできることは何か?前をしっかり向いて、考えて行動していきたいと思っています。

 

 

大切なことを気づかせてくれた仲間に、心から感謝です。