一期一会

通訳ガイドの醍醐味は?
と聞かれたら、やはり世界中のお客様との出会いがあることだと思っています。フランス語のガイドというとフランスからのゲストだけご案内しているイメージをお持ちの方が多いのですが、今までご案内したフランス以外の国で言うと、スイス、ベルギー、カナダ、タヒチなどからのフランス語圏のお客様も数多くご案内しています。

さて通訳ガイドといっても、団体ツアーを主に担当なさる方、個人ガイドを中心に仕事をする方などさまざまなのですが、私の場合は後者です。(団体ツアーを全くお受けしていない訳ではないのですが、まだ子供が小さいこともあり宿泊対応ができないため東京近郊のみお受けさせて頂いています)

団体、個人、どちらの場合でもお客様との出会いは多くあります。ガイディングのやりがいもそれぞれですが、個人ガイドの方がやはりお客様とより「密」な時間を過ごす傾向にあります。また、私の場合ホームページから直接お申込みいただくお客様も多く、中には数ヶ月前から何度もやりとりしてご相談しながらプライベートツアーのプログラムを練っていくケースもあります。お客様からは「あなたはフランスに住んだこともないのに何故そんなにフランス語を書いたり話したりできるのか」と驚かれることがありますが、たぶん日々たくさんのメールを読んだり書いたりしている成果だと思います。もちろん、ガイドを始めたばかりの頃はパソコンの前で何時間も文章を書くのに時間を費やしていましたが。経験を重ねて書くのも話すのも早くなりました。お客様に鍛えてもらっているなと日々ありがたく感じています。

ホームページからのお問い合わせの中には、時にとてもマニアックな依頼があります。ガイド数年目の頃、カナダのケベック州からのお問い合わせがありました。仲の良い4人家族の皆様で初めて日本に来られるとのこと。どうしても行きたい場所をお尋ねすると、まずあがってきたのが三峰神社!
理由は、パパママ、大学生〜中学生の3人のお子さんたち全員が極真空手を習っていて、マスター大山(極真空手の創始者)をとても尊敬しているから、彼が修行した場所に行きたい、とのこと。ぜひ願いを叶えて差し上げたかったのですが、東京滞在の日数を考えるとスケジュール的に難しく、残念ながら三峰神社には行かれませんでしたが、その代わりにマスター大山のお墓がある護国寺でお墓参りをしていただいたり、見学を受け入れて下さる道場を探してお連れしたり、とても喜んで下さったことを覚えています。

マニアックなご依頼は他にもたくさんあり、その度に新たな学びや気づきがあります。また機会があればお話していきますね。